衝撃を伝えない着地機構

図に示す機構を設計しました.これは,着地の際の衝撃を伝えない機構です.
この機構の動きを下図に示します.
  1. 落下してきた機構はまず中心の棒が地面に当たります.この際,機構の特異性から棒と地面の衝突による衝撃は機構の本体部(青色の部分)には伝わりません.
  2. 中心の棒と地面の衝突をトリガとして機構が動き始めます.
  3. 最後におもりが地面に強く衝突し,本体部は速度零で地面に接地します.この際,機構の特異性からおもりと地面の衝突による衝撃は本体部には伝わりません.
一般に,機構の特異性は動きの特殊性を導くため避けられがちですが,これは特異性を利用して衝撃を遮断するように設計されています.
この機構では,落下の際の本体部の運動量がおもりに移動し,おもりを地面に強く打ち付けることでエネルギーを散逸させています.これより,「運動量交換型衝撃吸収ダンパ」と呼ばれます.


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