遠隔掘削のための半自律制御系設計

半自律制御系

遠隔操作では,通信のむだ時間等により操作性が著しく劣化します.そのためには,自律制御系が有効ですが,掘削作業のように人が介入する必要があるものでは,人の操作を受け入れる自律制御系が必要です.本研究では,軌道アトラクタに基づく制御系によって自律制御系を設計し,これに人が介入できるメカニズムおよびインターフェースの設計を行っています.

1. 掘削力を制御する半自律系

軌道アトラクタを有する力学系にインデックスiを追加し,次元を拡張します.

  

図のように,iの値に対応する掘削深さを持つアトラクタを設計します.
iの値はバケットにはたらく力の大きさ,人の入力からカルマンフィルタによって求めた値によって変化させることで,
  • 深さを変化させながらバケットにはたらく力を一定に保つ掘削
  • 人の操作に基づいて深さを変化させる掘削
が両立できます.

2. アトラクタの分岐(Bifurcation),淀み(Stagnation),変形(Deformation)によるインターフェース設計

掘削では作業の選択があります.そこで,アトラクタの分岐点に淀みを置きます.これにより,分岐点では一旦停止し,人の操作力でその淀みから抜け出して所望の軌道へ導くインターフェースの設計を行っています.
さらに,人が素早く動かせば淀みから抜ける,ゆっくり動かせば軌道を変形させる機能を加えています.


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